一ヶ月の長きに渡って熱い戦いを繰り広げてきた2002FIFA WORLD CUP Korea/Japan(TM)も6月30日、静かに、そして熱気を残したまま終わりを迎えました。大会前は、高い評価を得られなかったブラジル、ドイツの両チームによって繰り広げられた決勝戦は、横浜に集まった7万の人々に、様々な想いを残したことでしょう。
日本代表が、前回の雪辱を果たして決勝トーナメントに駒を進めた事は、この極東の島国における、フットボールが世界のレベルに届き始めた事を意味します。その中心となったのは、中田英寿であり、稲本であり、小野という欧州のクラブで活躍、或いは力を蓄えている選手達である事は疑いありません。
しかし、欧州リーグに出ていく事が全てでしょうか?
もちろん、答えは否です。強豪国として知られる国は、皆優秀な国内クラブを抱えているのです。ブラジル然り、ドイツ然り、イタリア、ポルトガル、スペイン、イングランド、フランス、アルゼンチンといった国々も同様です。韓国、アメリカ、トルコといった今回思わぬ活躍を見せたチームにおいては、必ずしもその限りではありません。しかし、今回の活躍が必ずしも次に繋がるとは限らないのです。94年のブルガリア、98年のクロアチア、何れも大会前には脅威と見られていなかった国が上位に食い込みましたが、その次の大会ではあまりぱっとした活躍を見せていません。その理由の一つとして、国内リーグの脆弱さが上げられるでしょう。トルコはガラタサライというクラブチームで知られるように、ここ数年で国内リーグが着々と力をつけてきています。しかし、韓国、アメリカの国内リーグの盛り上がりは今ひとつと言われ、優秀な代表選手は国外に活躍の場を求めているのです。今大会で見せた力が、今後も発揮出来るかは未だ未知数でしょう。
日本においても、それは同様です。先に触れたとおり、イタリアの中田英、イングランドの稲本、オランダの小野、彼らは中心選手です。今大会の結果により、また多くの選手達が海を渡る事でしょう。柳沢、鈴木、戸田、三都主、宮本、中田浩、松田。この中の何人がJを飛び出して行くかはわかりませんが、彼らが居なくなった国内リーグの盛り上がりはどうなるでしょう?単純に考えて、ファンの客足が遠のく事は容易に想像できます。選手目当てにスタジアムに訪れる人も少なくないのですから。
だからこそ、ここで思うのです。Jはこれからだと。
日本のトップクラスの選手が国外へ旅立った後、彼らに代わる力は彼らがそうだったように、またJから出てくる事でしょう。Jリーグ28チームの中から、2006年へ繋がる新たな力が。国内で活躍した選手が欧州や南米の高いレベルの中で得た経験をもって再びJでプレイする。そのプレイから何かを感じ取った若い選手達がまた外へ旅立っていく。ブラジルをはじめとする強豪国は、このようにして強くなっていったのです。そのサイクルを日本もまた、たどることの出来る最大のチャンスが、このW杯という狂熱から日本人が未だ醒めやらないこの時期ではないでしょうか。
世界のプレイにはほど遠いかもしれません。
盛り上がりに欠ける事甚だしい会場もあるでしょう。
そして何より、ミスだらけのつまらない試合を見ることになるかもしれません。
しかしそんな中に、新たな力は静かに時を待っているかもしれないのです。ほんの少しだけ世界に近いプレイが見られるかもしれません、世界に負けない盛り上がりを見せる会場もあるかもしれません、次の世界へ向けて、新たな力を見つけに行ってみませんか?
Jリーグへ。
2002/7/1 Tag
|